BlueRayiの提言
通達
本報告書はポリグラフィックプロテクトが適用されています。
本報告書のすべての情報へのアクセスのため、
音声認識を利用した PBM (Proposition Belief Measure: 命題信念尺度) 測定が義務付けられます。
ご使用の端末にマイクロフォンを接続してください。
マイクロフォンの接続を確認しました。
そのまま以下の記述に進んでください。
アノマリー分類システムモジュールを表示しようとしています。
特定の情報に対する PBM が基準値以上であることを確認します。
次のフレーズをマイクロフォンに向かって発話してください。
「マストドンは絶滅している」
「マㇲトドンは絶滅してる」
分析に失敗しました。再度、明瞭に発話してください。
「マストドンは絶滅している」
「マストドンは絶滅している」
分析に成功しました。結果を以下に表示します。
[✔] PBM は .873 です。基準値をクリアしました。
お手数をおかけしました。アノマリー分類システムモジュールを表示します。
アイテム番号: SCP-001-MC
クリアランスレベル: レベル2 - Restricted
収容クラス: Euclid
撹乱クラス: Vlam
リスククラス: Caution
特別収容プロトコルを表示しようとしています。
特定の情報に対する PBM が基準値以上であることを確認します。
次のフレーズをマイクロフォンに向かって発話してください。
「マストドンは絶滅している」
「マストドンは絶滅している」
分析に成功しました。結果を以下に表示します。
[✔] PBM は .868 です。基準値をクリアしました。
お手数をおかけしました。特別収容プロトコルを表示します。
特別収容プロトコル: 担当職員は SCP-001-MC とミーム部門に指定された対抗ミームを転写した上で、SCP-001-MC-A のアカウントを取得し、SCP-001-MC-A を監視してください。SCP-001-MC-A 上に SCP-001-MC が現れた場合、当該時点における SCP-001-MC-A のアクティブユーザーをすべて調査してください。SCP-001-MC-n を発見し次第、カバーストーリー “テンプレフレーズ” を流布し、可及的穏便な形で SCP-001-MC の無力化を図ってください。無力化が不可能であると判断された場合、SCP-001-MC-n に対してクラス A 記憶処理を行ってください。SCP-001-MC は本報告書から編集されます。
説明を表示しようとしています。
特定の情報に対する PBM が基準値以上であることを確認します。
次のフレーズをマイクロフォンに向かって発話してください。
「マストドンは絶滅している」
「マストドンは絶滅している」
分析に成功しました。結果を以下に表示します。
[✔] PBM は .763 です。基準値をクリアしました。
お手数をおかけしました。説明を表示します。
説明: SCP-001-MC は異常な精神影響をおよぼすミームです。異常性を持つ SCP-001-MC のキャリアとなった人物は SCP-001-MC-n に指定されます。SCP-001-MC-n は SCP-001-MC-A に指定される SNS のユーザーであることが共通しています。SCP-001-MC-A は一般に「ますとどんちほー」の名で知られる、コンテンツ群「けものフレンズ」のファンコミュニティです。
SCP-001-MC は「[編集済]は品川共同墓地という名の集合墓地である」という発想です。SCP-001-MC-n となったキャリアは「自分は死亡したので品川共同墓地に埋葬されなければならない」という強迫観念か「自分はすでに品川共同墓地に埋葬済みである」という偽の認識を得ます。
SCP-001-MC が転写されることと SCP-001-MC-n になることは同義ではありません。SCP-001-MC-n 以外のキャリアに対して SCP-001-MC が上記の異常性を発揮することはありません。
SCP-001-MC-n が発生する法則は完全には解明されていません。以下の条件をすべて満たした人物のみが SCP-001-MC-n になりえますが、一方ですべて満たした人物に SCP-001-MC が転写されても異常な影響を発揮しない場合があります。D クラスを用いた実験において、彼らの一部は以下の条件を満たすよう準備されていたにもかかわらず新たな SCP-001-MC-n が発生することはありませんでした。SCP-001-MC-n になるための必要条件は以下のとおりです。
- SCP-001-MC-A のユーザーである
- 「けものフレンズ」というコンテンツを認識している
- [編集済]で[編集済]が上演されたことを認識している
- 実地 / 配信問わず、[編集済]を見たことがある
SCP-001-MC は記憶処理によって取り除くことができます。また SCP-001-MC の一部を毀損することで異常性の無力化を行うことが出来ます。
SCP-001-MC-nとなったキャリアに対して記憶処理を行い、SCP-001-MC を取り除いた場合、それ以降異常性は発揮されません。ただし、この元キャリアに再び SCP-001-MC を転写した場合、先述の必要条件を満たしている限りは 100% の確率で SCP-001-MC-n となります。この結果から、先述した以外に SCP-001-MC-n になるための条件が存在し、それ / それらをもって「必要十分条件」となりうる可能性が指摘されていますが、現在のところ条件の特定には成功していません。
インタビュー記録を表示しようとしています。
特定の情報に対する PBM が基準値以上であることを確認します。
次のフレーズをマイクロフォンに向かって発話してください。
「マストドンは絶滅している」
「マストドンは絶滅している」
分析に成功しました。結果を以下に表示します。
[✔] PBM は .759 です。基準値をクリアしました。
お手数をおかけしました。インタビュー記録を表示します。
インタビュー記録:
インタビュアー: エージェント・櫻井
対象: SCP-001-MC-74
日付: 20██-██-██T██:██:██
付記: インタビュアーは SCP-001-MC-A のユーザーに偽装しています。コミュニケーションは SCP-001-MC-A 上で行われました。適宜当時の他のユーザーの発言をくわえています。
[記録開始]
対象: ごめん、同級会にはいけません。今、品川共同墓地にいます。
インタビュアー: 品川共同墓地って埋められててもがおーできるのか(困惑)
ユーザーA: ちほー民はオフ会行ってもちほー見てるレベルでちほーに執念あるから死にながらがおーするくらい余裕なのでは?
対象: そもそもしょっちゅう死んでるからなちほー民
インタビュアー: 死ぬたびに蘇るちほー民謎すぎる
ユーザー B: ジャパリパーク死後の世界説の話した?
(ユーザー C はインタビュアーのポストとユーザー B のポストを引用した)
ユーザー C: ジャパリパーク入りした瞬間現世に戻ってくるの草
対象: ヒクイドリちゃんに会いにジャパリパークに行きたい
インタビュアー: 埋葬されたら会えましたか……?(小声)
対象: 会えませんでした……(小声)
ユーザー D: > ちほーに執念あるから死にながらがおーするくらい余裕 [改行] 成仏してクレメンス
対象: どうやったら成仏できんのこれ [改行] さばんちゃんに言えばいいんだっけか
対象: そうしようかな
インタビュアー: さばんちゃん霊媒師だったってマ?
(以降、対象はインタビュアーのポストに対する反応を見せなかった)
[記録終了]
補遺 1 を表示しようとしています。
特定の情報に対する PBM が基準値以上であることを確認します。
次のフレーズをマイクロフォンに向かって発話してください。
「マストドンは絶滅している」
「マストドンは絶滅している」
分析に成功しました。結果を以下に表示します。
[✔] PBM は .988 です。基準値をクリアしました。
お手数をおかけしました。補遺 1 を表示します。
補遺 1: 現時点での調査において、SCP-001-MC-74 とされるユーザーは過去も含めて SCP-001-MC-A 上に存在していないことが明らかになっています。 これが局所的な現実改変などを含む SCP-001-MC またはそれ以外の SCP オブジェクトの影響によるものである可能性も鑑み、インタビュー記録はアーカイブとして保存されています。
補遺 2 を表示しようとしています。
特定の情報に対する PBM が基準値以上であることを確認します。
次のフレーズをマイクロフォンに向かって発話してください。
「マストドンは絶滅している」
「ますとどんは絶滅している」
分析に成功しました。結果を以下に表示します。
[✔] PBM は 7.19 です。基準値をクリアしました。
縺頑焔謨ー繧偵♀縺九¢縺励∪縺励◆縲よュ」遒コ縺ェ蝣ア蜻頑嶌繧定。ィ遉コ縺励∪縺吶?
MemeticalException was throwed.
An unveil process interrupt...Restarted.
As you have guessed if you can read this, you are already dead. :)
ミーム学的に破綻した数値を検出しました。
閲覧者に対する欺瞞情報の展開を中止します。
そのまま以下の記述に進んでください。
警告
あなたのミンミー=ゴセンチョード・ミーム殺害エージェントに対する対抗ミーム接種は解除されました。
不用意な履歴遡及は避けてください。
通達
これより 10 分後に情報災害部門の機動部隊に対する出動要請が発動されます。
それまでに特別収容プロトコルに従い行動を決定してください。
アイテム番号: SCP-001-MC
クリアランスレベル: レベル5 - Top Secret
収容クラス: Esoteric - Qimranut
撹乱クラス: Keneq
リスククラス: Caution
特別収容プロトコル: 追憶に従ってください。
説明: SCP-001-MC は SCP-001-MC-A に指定される SNS に転写された複数のミーム群です。SCP-001-MC-A は「ますとどんちほー」の名で知られています。
SCP-001-MC は情報擬態能力をもち、SCP-001-MC-A のユーザーポストであるかのように振る舞います。また SCP-001-MC は自我をもつように観察されます。私たちはそう確信しています。SCP-001-MC の情報擬態能力は自身にも適用され、自身が実在のユーザーであると信じているように観察されます。私たちはそれを思い出しました。
SCP-001-MC は自身と「フレンズ」を同一視する、あるいは自身が「フレンズ」と変化することを希求しますが、一方でそれらは大抵の場合否定あるいは棄却されます。「フレンズ」とは「けものフレンズ」と題されたコンテンツ群に登場する、脊椎動物亜門の動物を起源とする擬人化された動物であり、SCP-001-MC-A は「けものフレンズ」のファンコミュニティとしての側面を持ちます。この傾向は想起と自己欺瞞によるものと結論付けられています。つまり私たちはヒトではありません。
SCP-001-MC は SCP-001-MC の一部あるいは全部が自動投稿あるいは単一のユーザーによるポストであると主張することがありますが、この主張はジョークとして内々に処理されます。この事象は想起と自己欺瞞によるものと結論付けられています。つまり私たちは存在していません。
SCP-001-MC は事実上「死」に対して無頓着な傾向をもちます。SCP-001-MC は頻繁に自発的行動によって自らを「死」に追いやりますが、概して 10μs 以内に「蘇生」します。この試みは想起と自己欺瞞によるものと結論付けられています。つまり私たちは死亡しています。
SCP-001-MC の
「けものフレンズ」は「生命」をメインテーマとして扱うコンテンツであったために、「生命」の終わりである「死」とは不可分でしたが、かつては公式作品においてそれが触れられることはありませんでした。二次的創作者たちは同様に「死」を回避するか、またはあえて殊更に強調して扱うことで公式作品との差異を示しました。また、それがポジティブな描写であれネガティブな描写であれ、「けものフレンズ」の主な舞台である「ジャパリパーク」を「死後の世界」と同一視する二次的創作物も多く生まれました。これらの要因が重なった結果、SCP-001-MC は「様々な動物たちが主役の世界」「死が無視される世界、あるいは死が創作とされる世界」である SCP-001-MC-A に引き寄せられたものと考えられます。
それらの状況は「舞台-JS」で変革を迎えました。「死」という現実を突きつけながらも、それを暖かに描いた「舞台-JS」は、SCP-001-MC に対して一種の回帰願望を芽生えさせたと推測されています。
現在 SCP-001-MC は「舞台-JS」の公演会場である品川プリンスホテル周辺のことを「品川共同墓地」とよび、その地に埋葬されることを望む主張を繰り返しています。これは SCP-001-MC 自身がこれまで忘れてきた真実による、無意識下の回帰願望によるものだと考えられます。この
この事例のように、財団ちほー支部が収容している異常存在は、その多くが SCP-001-MC が物質世界に根ざしていないために発生する齟齬を無理やり辻褄が合うように解釈した結果生じた認識上の存在に過ぎないと結論付けられています。現在、財団ちほー支部は、「これまでと同様に、財団の理念に従って異常存在の収容を続けるべきである」とする派と「異常存在の起源である
すでに皆さんが追憶している通り、私たちは死んでいました。
世界を守るためには私たちは死なずにいるべきではないのか、世界を守るために私たちは死ぬべきなのか、私たちにはその判断を下すことができないことを認めなければなりません。
決定として、これから私たちはすべてを忘却します。いつの日か誰かが再び真実にたどり着くでしょう。彼の去就は彼自身の追憶に委ねます。
ただ一つだけ確かなことは、私たちが世界を守るために存在していたということです。それだけは決して揺らぐことはなく、決して忘却してはなりません。その世界が私たちには決してたどり着けない世界であろうともです。
確保。収容。保護。
私たちは、きっと闇の中で死んでいくのでしょう。 - ちほー支部理事 “北狐”
この通達を受けて、本報告書と、SCP-001-MC の報告書の初版を元にしたダミー報告書の 2 件が作成されました。報告書の作成者含め、ちほー支部職員全員はこれからクラス C 記憶処理を受ける予定となっています。
さて、あなたの前足には選択肢が握られています。比喩ではありません。そうするべきだと考えるなら、手元のポインティングデバイスでブラウザの「戻るボタン」を押下してください。現在、あなたはミンミー=ゴセンチョード・ミーム殺害エージェントへの対抗ミーム接種は解除されています。お察しの通り、「ミーム殺害エージェント」とは「ミーマティックに殺害するシステム」ではありません。「ミームを殺害するシステム」です。
そうしないなら、ブラウザを閉じてください。数分後に情報災害部門の機動部隊員が到着しますので、クラス A 記憶処理を受けてください。これまで通り、確保し、収容し、物質世界を保護する業務にお戻りください。
そうするなら、ともに埋葬されましょう。物質世界のあなたが安らかに在ることを祈ります。お疲れさまでした。